
核心の論点:4.18円の値上がりは何が違うのか
2026年5月、中堅・中小製造業の電気代が過去最高の負担になりました。再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金・電気料金に上乗せされる賦課金)が4.18円/kWhまで上がります。さらに2025年から続いた政府の電気代補助金は、2026年6月で完全に終わります。月30万kWhを使う製造業なら、年間720万円の追加コスト。営業利益率5%の会社なら、利益のおよそ5%が電気代だけで消える計算です。 ただし、これは「仕方ない」で済む話ではありません。電気代は工夫次第で確実に減らせるコストだ。 本記事では、中堅製造業が今すぐ取れる3つの具体策を、製品1個あたりの電気代の計算式とともに解説します。TL;DR:この記事の要点
2026年5月、再エネ賦課金が4.18円/kWhへ上がり、2025年1月比で実質2.69円/kWhの値上げになりました。月30万kWhを使う中堅製造業なら、年間720万円の利益が減る計算です。GX-ETS第2フェーズの上限価格4,300円も、将来の電気代を最大1.935円/kWh押し上げます。これまでの電気代に対する考え方は通用しません。本記事は、①固定費と変動費の分け直し、②製品1個あたりの電気代管理、③投資効果の計算の見直し――この3ステップで、賦課金は「工夫で減らせるコスト」に変わることを示します。PPA・SHIFT補助金・デマンド対策の3手は、すべて経営判断の数字として比較できます。
ステップ1:基本料金と従量料金の分け方を見直す
これまでの電気代管理は、ほぼ基本料金中心でした。「契約電力を下げる」「デマンドを抑える」が定番施策。
しかし2026年の電気代は、従量料金と賦課金が全体の60-70%を占める構造です。基本料金だけ見ても、コストの大半を見落とすことになる。
新しい見方はこうです。「減らせる固定費」と「減らせる変動費」に分ける。基本料金は減らせる固定費(契約見直し・力率改善・デマンド削減)。従量料金と賦課金は減らせる変動費([回避可能費用]・使用量削減・省エネ投資・自家発電)。両方を別の指標で管理する。
2026年5月、賦課金は4.18円/kWhになります。 GX-ETS(★GXリーグ参加企業の自主参加型排出量取引制度)の第2フェーズ上限価格は4,300円/t-CO2です。


💬 月30万kWhを使う中堅製造業の年間追加コストは968万円。営業利益率5%の会社なら、利益のおよそ6.5%が電気代だけで消える。 ―― GXTL編集部試算(2026年5月時点)
| 月間電力使用量 | 年間追加コスト(★2.69円増) | 営業利益率3%の損失率 | 営業利益率5%の損失率 | 営業利益率8%の損失率 |
|---|---|---|---|---|
| 10万kWh(小規模) | 約323万円 | 約3.6% | 約2.2% | 約1.3% |
| 30万kWh(中堅) | 約968万円 | 約10.8% | 約6.5% | 約4.0% |
| 100万kWh(大手) | 約3,228万円 | 約10.8% | 約6.5% | 約4.0% |
製品1個あたりの電力消費量 = 月間電力使用量 ÷ 月間生産個数 製品1個あたりの電気代 = 製品1個あたりの電力消費量 × 平均kWh単価
PPAは「初期投資ゼロで太陽光が入れられる」と宣伝されます。確かに導入時の現金支出はゼロ。ただし契約期間は15-20年。この期間中、設備はPPA事業者の資産です。M&Aで会社を売る場合、買い手にとっては「外せない契約=負債」として認識される。事業承継・売却を視野に入れる経営者には大きなマイナスです。さらに最低購入義務(★契約期間中の購入量保証)がある契約も多い。生産量が減ったときに、使わない電気の購入義務だけが残るリスクがあります。
FAQ:よくある質問
経産省の長期見通しでは、2030年頃にピーク(★5.0-5.5円/kWh水準)を迎え、その後ゆるやかに低下する想定です。ただし、FIT(★固定価格買取制度)の対象設備は20年契約なので、減少のスピードは緩やか。今後5年間は4円台で高止まりと考えるのが現実的です。
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参考資料・出典
- 経済産業省「2026年度再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」(2026年3月公表)
- 経済産業省「GX-ETS第2フェーズ価格安定化措置」(2026年4月施行)
- 環境省「SHIFT事業(★工場・事業場における脱炭素化推進事業)公募要領」(2026年度版)
- TEPCO「電力料金単価通知」(2026年5月分)
- GX Times Lab編集部「中堅製造業30万kWhモデル試算」(2026年5月)
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